歯周補綴
重度歯周病でぐらぐらになった歯を被せ物で連結して歯を安定させる治療法について説明しています。
歯周補綴の概要
歯周病の進行によって歯を支える骨等の組織が少なくなると歯がぐらぐらしてきます。歯がぐらぐらして来ると物を噛むのにも支障がでますし、プラークコントロールをするのも難しくなります。
そういった場合に揺れている歯をお互いにつなぐために被せ物をつなげて作りそれを歯にかぶせることで、歯を安定させる方法です。
歯周補綴の流れ
1. 歯周病の進行によって骨が溶け、歯の根が露出してきます。このような状態になると歯そのものがグラグラと揺れてきてしまいます。
2. 揺れを止める為に、隣同士の歯を連結していきます。そのために、まず、歯を整形して被せ物が出来る状態にします。
3. 連結した被せものを制作して被せます。これによって個々の歯は、連結固定効果を得ることができます。
歯周補綴の治療例
50代の女性の方で、総合的な治療を希望して来院されました。虫歯、噛み合わせ、見栄えといろいろな問題を抱えていらっしゃいましたが、特に歯周病に関して病状が進行していて、すべての歯の周りの骨が失われて歯が動いている状態でした。
歯磨き指導から始まる一連の治療を開始しまして、さらに歯周外科まで行い徹底的に歯周病原菌を取り除き、可能な限り歯を残すように努めました。患者さんも非常に治療に協力的で何とかしたいという思いにあふれていました。
その後、どうしても治療不可能な歯だけをお取りさせていただき、失われた機能の回復として、奥歯にインプラントを入れ噛み合わせを安定させるのと同時に、出っ張ってしまった歯を後ろに引き、さらに動いている歯をつなぎあわせることで見栄えと噛み合わせを同時に回復させる歯周補綴を行いました。治療には、2年という長い期間がかかりましたが、非常に安定しています。
治療のリスクと治療費
一時的な歯肉退縮や動揺の増加が見られる可能性があります。