歯周病原菌を、口腔内と体全体から徹底的に除菌を行う治療法
歯周病原菌は、歯根の外表面に形成されるバイオフィルムという不溶性の糖類に守られた細菌の集落の中に存在します。よってその除菌には、バイオフィルムを機械的に除去する、つまり表面を様々な器具でクリーニングするしかありません。
しかし、歯周病原菌の一部は、体内に生息することができ、その場合、クリーニングによる除菌は不可能で、抗生物質の体内への投与によって除菌を行います。FMDは、そのような事実を踏まえ、歯根表面のクリーニングそれもすべての残存歯に対して行うのと同時に抗生物質の内服を行うことで体内外の歯周病原菌の除菌を行う方法です。 尚、当院では、希望される方には追加費用なしで、静脈内鎮静法を併用してリラックスした苦痛のない状態で治療を受けていただくこともできます。
保険適用の治療との大きな違い
1. 治療効果が格段に異なります
保険適用の歯周病治療では、お口の中を6ブロックに分け、4〜6回かけて少しずつしか進めて行くことができません。しかも、次の予約が1週間以上あいてしまうのが一般的ですので、治療が終わるまでに2〜3ヶ月かかってしまうこともあります。
この治療期間の問題は大きく、部位ごとに進めて行くうちに、治療が終わっていない箇所から、治療が終わった箇所へと歯周病原菌が感染し、一通り完了するまでに、元の状態に戻ってしまうリスクがあります。
一方、FMD(フルマウスディスインフェクション)では、抗生物質を併用して、わずか1回の治療で完了しますので、極めて高い治療効果が得られます。
2. 苦痛なく治療を受けていただけます
静脈内鎮静という麻酔は、保険が適用されません。保険適用の麻酔は比較的早く効果が消失してしまいますので、2時間にわたる治療においては追加追加が必要となり、患者さんにとっては大きな苦痛となってしまいます。
また、静脈内鎮静は、他医院では自由診療で追加5〜10万円の費用がかかってしまいますが、当院では別途費用がかかりませんので、安心して治療をうけていただけます。
3. 来院回数が少ないため、遠方の方も無理なく治療が可能です
前述した通り、治療回数=来院回数が少ないため、遠方の患者さんでも時間的な負担が少なく、効果のある治療を受けることが可能です。実際当院には、他県からもたくさんの患者さんが来院されています。
治療例 - FMD(フルマウスディスインフェクション)
初診時(治療前)口腔内写真
一見、健康なように見えますが、歯肉が青みがかり腫れています。
初診時レントゲン写真
黄色い枠で示した部分では、歯の根を支える 歯槽骨が大きく吸収している(骨が溶けている)のが認められます。
初診時プロービングチャート
1本1本の歯、それぞれの周囲の6ヶ所について歯周ポケットの深さと出血の有無を調べた結果を示したのがプロービングチャート(参照:プロービングチャートの見方)です。
7mm〜9mm という深さが複数認められ、その他の条件から重度歯周病と診断しました。
治療後の口腔内写真
腫れていた歯ぐきは大幅に改善しました。
治療後プロービングチャート
赤く塗りつぶされた出血を示す部位が大幅に減少するとともに、歯周ポケットも劇的に改善したことが分かります。
FMDのリスクと治療費
FMDによる歯周病治療では、一時的な知覚過敏や歯肉退縮(通常、歯肉が改善すると腫れがおさまるため歯茎が下がったように見えます)の可能性があります。治療費の目安は、250,000円~300,000円+税です。