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歯周病治療における
抜歯の判断基準

アメリカ歯周病専門医による抜歯の判断基準

一般的な抜歯の判断基準

一般的には、下記の基準のいずれかに該当した場合に抜歯をお勧めすることが多いようです。

1)対症療法を行っても、過度の動揺により痛くて咬めない結果、回避性咀嚼を行ってしまう場合。
2)十分なデブライドメント(プラーク・歯石の除去)ができない、あるいは暫間固定ができないほど進行した歯周炎。
3)治療中頻繁に急性膿瘍が生じ、広範囲歯周組織の破壊の原因となる可能性がある場合。
4)どのような治療計画を立案した時にも利用価値が見出せない場合。

さらには、十分に歯を残すための考慮がなされず「重度歯周病抜歯」とあっさり診断されてしまうケースも多々見受けられます。

上記の4つのポイントについては、確かに合理的に思われます。しかし、注意しなければならないのは、

1)対症療法を行っても
2)十分なデブライドメント(プラーク・歯石の除去)
4)どのような治療計画を立案した時にも

これらのポイントで、技術的にどれほど十分な「対症療法」「デブライドメント」ができているのか
同じ基準で考えても、一般歯科医と歯周病専門医の考える十分な「対症療法」「デブライドメント」には違いが生じてきます。

また、「どのような治療計画を立案した時にも」の観点では、高度なSRP(スケーリング・ルートプレーニング)歯周組織再生療法歯周外科歯周補綴フルマウスディスインフェクションなどの幅広い治療方法を踏まえた治療計画は一般歯科医に立案することは、かなり難しいかもしれません。そもそもの役割が異なるので当然といえます。

望ましいのは、上記の判断基準で、自信がない・不安な場合は歯周病専門医に紹介するという選択肢です。

しかし、なかなかこの紹介がなされないため、困った患者さんがご自身でインターネット検索されて当院に来院されている、というのが実情です。

 

アメリカ歯周病専門医による抜歯の判断基準

抜歯の判断とは、専門的に言うと、「予後判定」といいます。

私たちアメリカ歯周病専門医では、1つ1つの歯に対して、「保存」or「抜歯」の2つではなく、下記のようなタイプに分けて予後判定をしています。

GoodGuardedPoorHopeless

予後良好

 

予後悪化の要因をもつが、現在は機能的問題がない、あるいは軽度。

また治療により改善の期待がもてるもの、メインテナンス可能。

予後悪化の要因をもつ。

現在のところ機能はしているが、メインテナンス困難なもの。

予後不良で機能に問題あるもの。

要抜歯。

Hopeless(抜歯)の判断

従来、Hopeless(抜歯)か否かの判断は、

過度の動揺や根尖(根の先端)まで進行した骨吸収などの条件から、前述した判断基準に照らして

決定していました。

また、次のような様々な要因が検討されてきました。

1. 臨床的パラメータ

歯周ポケットの深さ、動揺度、歯槽骨吸収根分岐部病変喫煙習慣 など

2. 細菌学的手法

歯周病の進行に特定細菌の存在が影響しているという点

3. 遺伝型による判定

人間個々の歯周病原菌に対する免疫反応、遺伝的に決定づけられた個人的要因

しかし、それらの条件は、臨床家の個人的な経験によって導きだされているものであり、歯周組織再生療法の発展とともにその条件は大きく進化してきています。根の先端を超え骨吸収のため要抜歯と判断された歯を歯周組織再生療法によって保存を試みた結果、治療終了後5年経過しても92%の歯が良好に機能していて、歯周組織再生療法は、予後判定を変えることができると報告されています。

現在推奨されるHopeless(抜歯)の判断フロー

このように、絶対的な信頼性をもつ予後判定因子は現在のところ存在しないため、Hopeless(抜歯)の判断は、

患者の意志や治療への期待、歯周病の重篤度、修復的要素など

さまざまな因子を総合的に考慮して行う必要があります。

 

歯周病の抜歯の判断

現在かかっている歯科医院で抜歯を勧められたが、保存を希望する患者さんは、是非一度、早めにご相談にいらしてください。

 

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